爆発抑制とは
粉じん爆発が発生した瞬間の圧力波を感知し消火剤
を噴射することにより、爆発による火炎の燃焼を抑制し
爆発の進行を阻止することで、粉じん爆発が破壊的な
圧力にまで達することを防ぐことを可能とした、アクティブ
(能動的)な爆発防護です。
システムはセンサー、キャノン、タッチパネル式コントロー
ラー、ローカル制御ボックスで構成され、センサーが爆発
を検知すると、瞬時にキャノンを作動させます。
抑制キャノンは集塵機などの装置や容器を破壊から
守り、しゃ断キャノンはダクトを通じ爆発の火炎が伝播
することを防ぎます。
爆発放散口を用いたパッシブ(受動的)な爆発対策に
比較すると、一般的に装置や容器内における爆発の
圧力上昇が抑えられることで、装置に対する影響は
低くなります。
また、消火剤には人体に害のない重炭酸ナトリウム
(重曹)を使用しているので、食品プラントにおいても
安心です。
爆発抑制のメカニズム
粉じん爆発が発生した際の圧力波は音速に近いスピード(約300m/s)で進行するのに対し、初期段階の火炎の燃焼は10m/s以下の速度で拡大します。 そこで初めの圧力波を検知し、火炎が広がる前に消火剤を噴射することにより、爆発を抑制することが可能となります。
設置例
集塵機に設置された抑制キャノン / しゃ断キャノン
これまでに設置された主な機器
・ 集塵機
・ スプレードライヤ
・ サイクロン
・ 流動層乾燥機
・ バケットコンベア
・ 粉砕機
抑制キャノン
窒素が封入されたタンクと消火剤が充填された
キャニスタが分割されており、消火剤は長期間
交換が不要です。
また、取り付けの向きも柔軟に対応できます。
窒素タンクの開放は特殊なアクチュエータを使用し、
従来の電気雷管は不要となりました。
取り付ける装置の大きさや条件に合わせて、
適切な量の消火剤を選定いたします。
5ポンド (約2.3キロ)
10ポンド (約4.6キロ)
20ポンド (約9.2キロ)
圧力センサー
圧力センサーはダイヤフラム式センサーで、1箇所に配置された3つのセンサーの
うち、2つのセンサーが同時に検知した際に爆発と判断するため、爆発以外の
物理的圧力による誤動作を防ぎます。
圧力トランスデューサ
運転中の圧力の変動をモニターすることで、爆発前の挙動を
検証することが可能です。
タッチパネルタイプのコントローラ
システムの状態、警報の内容などが一目で判別できます。